列車に乗ってふるさとへ 癒しの帰省エピソード
帰省、と聞くだけでわくわくしてきますね。かくいう私も、子供の頃、親と一緒に夏休みの帰省をするのを楽しみにしていました。小学校や中学校で、「これ、帰省のお土産なんだ」といってクラスメイトにお菓子を配るのも楽しかったです。今回は、色々な帰省のエピソードをまとめてみました。故郷を離れて頑張るあなたへ、癒しのエピソードです。
元気な顔が、一番の手土産
私はついこの間、出産したばかりの母親です。ついこの間といっても、もう半年近くすぎているのですが、私にとってはあっという間でした。子供をきちんと面倒見なくちゃ、家事もしなきゃ、夫をほったらかしにもできないわ、ということで毎日することが山積みでした。
8月に帰省するので、そうしたら一息入れられると思い、忙しい毎日をなんとか乗り切りました。帰省するときにはちょっとおしゃれをしていくものでしたが、今は子供に引っ張られてよれよれになった服と、洗いざらしのズボン、化粧もしょっちゅう触られるので薄くしかしていない状態でした。なんとか遅れずに新大阪駅から新幹線に乗りました。
故郷の熊本までの道のりは、新幹線だと3時間くらいかかります。子供はミルクをあげて寝かしつけ、新幹線に乗っている間はおとなしくずっと眠っていました。いつおきるか、ぐずるかひやひやしていましたが、その心配は必要なかったようです。同じ車両のお客さんたちがかわいいわね、大変だけど今だけだからね、と話しかけてくれたのが嬉しかったです。
ママ友達もまだあまりいないし、夫にくっついて引っ越した先に住んでまだ2年目でしたから、周りに話す人もいませんでした。友達をつくるような元気も残っていないくらいに頑張っていました。たまにとてもさびしいときがありました。
新幹線で隣に座ったのは、年配のご婦人でした。私の頃はね、と子育ての昔話を懐かしそうに、静かに話してくれて、聞いている側もなんだか楽しくなってきました。普段、「周りに迷惑をかけないように」と思うあまりに、いかに自分自身が子育てそのものを楽しめていないのか、と気づくことができました。家を出たときはへろへろに疲れていたのに、新幹線を降りて在来に乗り換え、実家に付いた頃にはすっかり元気になっていました。
「ただいま。」
両親は、私の顔をみて安心したようでした。
「疲れているんじゃないかと思って、心配しとったんよ。でも、あんたの顔をみてちょっと安心したわ。よかよか。元気でなにより、上等ばい!」
と、言っていました。
私の元気な顔と、子供を見せる事ができてよかったです。
さて次の方は…
なつかしのお好み焼き
東京に来て、何年になるんだろう、ああもう15年も経つんだなと思います。仕事がひと段落したら、故郷に一人残っている母親に会いに帰っています。母は岐阜県の関が原に住んでいます。合戦があったことで有名な場所ですね。いつもは母を励ましに帰るのに、この前は仕事でかなりのミスをしてしまって、珍しく落ち込んでしまい、急に土日に帰省したことが有りました。取り返しのつかないものではなかったものの、失敗した事そのものに自分がショックでした。
「元気でやっとるか」
という質問に、ああ元気でやっとるよと答えたはずなのに、仕事で上手くいかなかったことがすぐにばれてしまったようでした。
その晩、母は、モチとチーズの入ったお好み焼きを焼いてくれました。これに赤いショウガ、ソースをかけるとおいしいのです。子供のころから好きです。私はお好み焼きをほおばりながら、なんだかまた頑張ろうと思えてきました。もう一度、頑張ろう。そう思わせてくれる私の故郷です。
故郷は特別
いかがでしたか。故郷は、特別な意味を持つ場所ですね。癒され、明日への活力を得て、また自分の場所に帰っていくのですね。ぜひぜひ、そんなふるさとを大事にしてください。以上、癒しの帰省エピソードでした。