相性の悪い父が、喜んでくれた父の日のプレゼント

そば打ち

母の日は抵抗ないのに、父の日のプレゼントってあげにくいですよね。

日ごろから父親といい関係が築けていれば自然にプレゼントできるのでしょうが、そうでない場合はけっこう難しいものがあります。

押しつけるような物言いが嫌で、子供の頃から逆らい続けた結果、顔を見れば小言を言われるようになり、気づくと父のことは避けるようになっていました。

父と仲のいい妹の提案で父の日に何かをあげることになっても、なかなかプレゼントが決まりません。

本人には聞けないし、どうせあげるなら喜んでもらえるものがいいという妹と相談していました。

趣味人で飽きっぽい父

父はとにかく趣味が多く、思い出す限りでもどぶろく作り・ひょうたん細工・わら細工・山菜採りと山菜料理・ナマズ捕りとナマズ料理・そば打ち・卵焼き・ところてん・ラーメン・らんちゅう・野菜作り…と何かに夢中になると没頭していました。

本人は夢中で楽しくて仕方がないのですが、振り回される家族は迷惑でした。

銅製の大ぶりの卵焼き器を手に入れ、毎日毎日5パックも10パックもの卵を買ってきては卵焼きを作り、せっせと家族にふるまうのですから食べさせられる方はたまったものではありません。

いつの間にか卵焼きから解放されると、今度は来る日も来る日もナマズ料理が続きます。それにも飽きるとところてんになり、ラーメンになるわけです。

そば打ちに凝ったときはさらに大変でした。

台所中粉だらけにして麺を打つのはまだしも、そば粉100%にこだわりすぎて出来上がるそばは、5センチくらいの短いものでした。

ポソポソとちぎれたそばを毎日毎日食べ続けるのは、かなりの苦痛でした。

そば打ちが楽になるように選んだはずが・・・

「細くなったり太くなったりと切るのが大変だ」とこぼすので、これなら喜んでもらえるだろうと妹と手動のパスタマシーンをプレゼントしました。

私たちはこれで簡単に均一なそばができると考えたのですが、そば打ちでは切ることも楽しみの作業らしく、ポイントのずれたプレゼントだったようで、父はパスタマシーンを見て、なんとも微妙なリアクション・・・。

すると、妹が機転を利かせて、家族でパスタを作ってみようと言い出しました。

小麦粉なので、そば打ちで鍛えた?父のこねる作業が思いのほか順調で、私がパスタソースを作り、妹がパスタマシーンで製麺し、母が麺を茹でるという家族総出の共同作業。

出来上がってみると、とっても美味しいパスタが出来上がりました。何よりも家族全員でキッチンに集まり、わいわいしながら作ったことが、父にも嬉しかったようです。

父の趣味を家族で楽しんだことが、一番のプレゼントになったのかもしれません。

その父の日以来、何となくギクシャクしていた父との関係も良好になれたと思います。

父もそばの代わりにパスタにハマることになりましたが、パスタはソースで味わいが変わるので、そばに比べると、家族から文句が出なかったと思います。

父の日が近づくと、家族で作ったパスタの思い出や、粉だらけになりながらそばを打っていた父の姿と、ポソポソのそばが記憶に蘇ってきて、あんなに食べるのが苦痛だったそばが恋しくなってしまうのです。

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