世界遺産の街・萩で、近代日本の歴史探訪

夏の旅行の予定は決まりましたか?海や山でアクティブに過ごすのもいいのですが、たまにはちょっと趣向を変えて、歴史を楽しむオトナな旅はいかがでしょう。
今回紹介するのは、「世界遺産」に登録されたばかりの資産が点在する山口県萩市。NHK大河ドラマの舞台にもなっている、今一番ホットなスポットです。

萩に点在する5つの世界遺産を巡る

2015年7月に「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」が世界遺産に登録されたニュースは記憶にあたらしいところです。これは、幕末からわずか半世紀の間に製鉄、鉄鋼、造船、石炭産業において急速な近代化を遂げた日本において、その中心的な役割を果たした施設がまとめて登録されたものです。

 

この遺産群は九州・山口を中心に、8県11市に点在する23の資産で構成されています。そのうち、萩エリアにあるのは5つ。
まず訪れたいのは「萩反射炉」です。反射炉とは、大砲や大型軍艦を建造するのに不可欠だった鉄を精錬するための溶解炉。1856年に建造された当時の姿のうち、煙突部分が現存しています。

 

「萩城下町」も、ぜひ訪れたいスポットです。萩城跡、旧上級武家地、旧町人地の3地区で構成されていて、江戸時代の町割りや武家屋敷、石垣などが今も良好な状態で残っています。
ぶらりと歩くだけで、江戸時代にタイムスリップしたような気分になれるでしょう。

 

歴史ファンなら「松下村塾」も見逃せません。明治維新の精神的指導者である吉田松陰が主催した私塾で、幕末や明治の日本を主導した人材を多く輩出しました。
見学できるのは外観だけですが、明治維新の原動力になった場所だと思うと興奮してしまいます。

 

ほかにも「恵美須ヶ鼻造船所跡」と「大板山たたら製鉄遺跡」も時間があれば、ぜひ訪れてみてください。すべてを見学することで、見えてくる歴史があるはずです。

夏の情緒を感じたいならこれ!

世界遺産巡り以外にも、萩には楽しみがたくさんあります。
暑い夏でも、涼しい気分で観光できるのが「萩八景遊覧船」です。萩城跡の横にある指月橋をスタートし、堀内伝統的建造物群保存地区を眺めながら、橋本川に出ます。
白壁が続く平安古伝統的建造物保存地区や、萩八景のひとつである玉江などを眺めながらの約40分の船旅は、陸地での観光とは一味違った風情を楽しめることでしょう。

 

お盆の時期に萩を訪れるなら「万灯会」も必見です。長州藩を治めていた毛利氏の菩提を弔うため、8月13日に大照院、15日に東光寺の500基以上の石灯籠に火が灯されます。
闇夜に無数の柔らかな光が浮かび上がる様子は、とても幻想的です。

知っておきたい、萩旅行のノウハウ

今年は歴史的な猛暑ですから、熱中症には十分配慮したいですね。とくにシルバー世代へのギフト旅なら、観光タクシーを手配してあげるといいでしょう。
市内の各タクシー会社が、市内の主な観光スポットに案内してくれるパッケージプランを用意しています。これなら炎天下の中を歩きまわらなくていいので安心です。

 

もっとリーズナブルに観光したいのであれば、観光スポットを巡回しているバスもあります。どこまで乗っても1回100円ですから、駅前などで路線マップを入手して利用してみてください。

 

また、萩市の観光協会では観光ガイドも手配してくれます。自分で手配したタクシーやレンタカーに同乗し、観光スポットではその場所の歴史やうんちくを解説してくれるというもの。
ガイドブックではカバーできない裏話などを伺うことができ、知的好奇心をおおいに刺激してくれる旅となることでしょう。