中央道で行く山梨&長野オトナ旅

山梨県と長野県を通って東京と名古屋を結ぶ中央自動車道は、沿線に豊かな自然を楽しめる景勝地やグルメスポット、歴史浪漫漂う文化的な町などがたくさんあります。そんななかから今回は、特にシニア世代に喜んでもらえそうな旅ルートをご紹介します。

自然と文化が融合したエリアはシニア旅にぴったり

山の緑が美しい5~6月はマイカー旅行に最適な季節。北アルプスや八ヶ岳を見ながらドライブできる中央道沿線のエリアに出かけてみませんか?

 

若者にも人気のエリアですが、実はシニア世代にも喜んでもらえる旅テーマがいっぱい。利用ICごとに、いくつか楽しみ方を提案するので参考にしてみてください。

 

中央道沿線には名湯も数多く点在しています。温泉滞在も絡めた旅は、自分で旅するだけでなく、親世代への旅ギフトとしても喜ばれますよ。

ワインを楽しむ甲府・勝沼エリア~勝沼IC、一宮御坂IC、甲府南IC、甲府昭和IC~

甲府といえば思い浮かぶのは武田信玄、ほうとう、昇仙峡といったところでしょうか。戦国時代に武田氏の本拠地として栄えた歴史ある町ですが、観光地としての印象は薄いかもしれません。

 

しかし、最近では甲府市や甲州市などがワインの産地として脚光を浴びています。特に甲州市勝沼は、数多くのワイナリーが集まる国産ワイナリーの聖地ともいえる場所。

 

多くのワイナリーでは試飲コーナーも用意しているので、好みのワインを探しながらワイナリーを巡る旅が注目を集めているのです。こうした、ワインに絡めてその土地のさまざま魅力に触れる旅はワインツーリズムとも呼ばれています。

 

ただ、マイカー旅行だと運転しなければいけないので試飲はできませんよね。そんなときは、ワイナリーを巡るバスも運行されているのでご安心を。現地まではマイカーで行き、宿に車を置いたら、そこからはバス、というプランも立てられるのです。

 

たくさんのワイナリーを巡るのが面倒なら、勝沼にある「勝沼ぶどうの丘」という観光施設へどうぞ。ここは常時150~200銘柄のワインを揃えていて、そのほとんどを試飲することができます。

高原の新緑とグルメを楽しむ八ヶ岳・清里エリア~須玉IC、長坂IC、小淵沢IC~

南北30kmにもわたって山塊が連なり、ダイナミックな風景を作り上げている八ヶ岳山麓エリアは、標高が高く避暑地としても人気なので、都会から多くの別荘族や移住者が訪れます。

 

つまり、食べ物にも観光施設にも都会のレベルを求める人が多いため、自然豊かな田舎でありながらハイセンスな滞在を楽しめるのです。

 

少し歩いただけで手付かずの自然を感じられる遊歩道があるかと思えば、世界的なアート作品に触れられる美術館もある。素朴な公共浴場があるかと思えば、本格的なフレンチレストランもある。八ヶ岳山麓はそんなエリアです。

 

景勝地でおすすめなのは、北杜市大泉町にある美し森展望台。徒歩15分ほどでアクセスできる標高1542mの小高い丘で、清里高原や南アルプスを大パノラマで眺められます。6月上旬から中旬にかけて咲き誇るレンゲツツジの美しさも特筆モノです。

 

ほかにも、叶竜の滝、川俣川渓谷、花の森公園など、散歩気分で大自然を感じられるスポット、搾りたての牛乳で作るソフトクリームを食べられる観光牧場などを訪れるのもおすすめです。

 

レストランの質も目をみはるほどレベルが高い。高原野菜やブランド牛、川魚など、地の素材を活かしたフレンチやイタリアン、和食などの名店が目白押しで、目移りしてしまうでしょう。

歴史や和の心を味わう飯田エリア~飯田IC~

飯田市は長野県南部の中心都市。江戸時代には飯田藩の城下町として栄え、今でも残る城下町の風情、伝統芸能の多さから、小京都とも呼ばれています。

 

観光スポットでおすすめなのは元善光寺。長野市にある善光寺の阿弥陀三尊が、もともとはこの寺にあったことからその名がつきました。今年は7年に一度のご開帳の年。5月31日までご本尊を拝むことができますので、ぜひ訪れてみてください。

 

また、飯田市は横山大観、下山観山と並ぶ日本画の大家、菱田春草生誕の地。飯田市美術博物館では、春草の代表的な名画を鑑賞できます。

 

そのほかにも、往時の風情を忍ばせる大平宿、人形アニメーションの第一人者である川本喜八郎の作品を展示した飯田市川本喜八郎人形美術館、急斜面に民家や耕地が点在する下栗の里など、素朴で温かみのある観光スポットは枚挙に暇がありません。

 

あまりあくせくせずに、ゆったりとしたペースでエリアを巡れば、どこか懐かしい、ほのぼのした気分になれることうけあいです。